●野川家跡
1999年2月 撮影当日はどんよりとした天気でした。太宰治さんのファンだった僕は、三鷹市からの直接の依頼で取り壊される寸前の野川家の内外観を4X5インチの大判カメラを担ぎ、当時持っていたホルダー全部を使って撮影したのでした。
この写真は今回、三鷹市芸術文化振興財団から発行された冊子の中に使われた写真です。扱い(サイズ)は小さいのですが僕にとっては思い出深い写真です。
「野川家」・・・太宰治さんのファンであれば誰でも知っている家。
山崎富栄さんの下宿先です。
二人は最後にここから玉川上水へ向かい、自らの命を処断したのです。
彼らが戯れたであろう狭くて黴くさい畳の部屋を撮影していると
胸が熱くなったのを今も思い出します。